| 自閉症を改善させる方法-応用行動分析 「自閉症は改善する」-このことを史上初めて示したのは、1987年のロヴァースの幼児自閉症プロジェクトです。これは、生後40カ月以内の自閉症児を2つのグループに分け、このうち19人からなる一方のグループに週40時間の1対1の集中的な療育を行いました。2年後、集中的な療育を受けた自閉症児のうち47パーセントにあたる9人が普通学級に進学できるという進歩を達成しました。残る8人は、言語面で特殊な教育を行う失語症クラスに進み、知的障害児の特殊教育のクラスに入らざるを得なかった子供は2名のみでした。この子供たちのIQは2年間で平均約20%向上しました。この研究は、従来の自閉症観を覆すものとなりました。ロヴァースは、自分のメソッドを応用行動分析と好んで呼びましたので、日本でもロヴァース法を基礎とする立場は、ほとんどこの呼び名を用いています。 『臨床心理学における科学と疑似科学』(リリアンフェルド他編、厳島他監訳、2007、北大路書房)によると、その後、ロヴァースのアプローチの自閉症児への適用研究論文は、21世紀初頭の段階で訳500編に上り、このアプローチが自閉症児に効果を上げることを一貫して示しています。 さらには、保健衛生の行政からもロヴァースのアプローチの有効性を公認する公式見解が相次ぎました。1996年、ニューヨーク州は2年間にわたる文献調査の上、効果が最も実証されているのはロヴァースのアプローチであると結論しました。また、1999年には厚生科学省にあたる米国の米国厚生衛生局は自閉症へのアプローチとしてロヴァースのものを推奨し、2001年には文化科学省に相当する米国教育省が、このアプローチの効果には実質的な裏付けがあることを認める文書を発表しました。最も新しい公式見解としては、2008年3月米国厚生衛生局は再度、「30年間にわたる多くの研究が、ロヴァース法の1987年のよくデザインされた研究に少なくとも近い効果を、行動的アプローチが挙げうることを明らかにしている」としています。 |