自閉症の原因  脳の先天的な障害が原因です

自閉症は、生まれつきの脳の障害によって引き起こされます。
 例えば、〇歳児時点での自閉症児の脳の発達パターンは、普通の子供の発達パターンと大きく異なるということが米国の研究で明らかになっています。これは、生まれた時点ですでに脳に何らかの異常があることを示しています。
 ただし、さらに突っ込んで「そのような脳の発達の異常を引き起こす原因は何か?」という問題になると、いまだに原因は特定できていません。遺伝の関与は大きいのですが、遺伝性がないのに自閉症となる場合もあります。
 現在の研究では、「脳の発達異常をもたらす原因は一つには特定できない。おそらく、複数の原因があり、それらの共通した帰結として自閉症があるのだろう」と考えられています。自閉症という出口は一つだけの入り口と直結しているわけではありません。複数の入り口があり、その共通した出口として自閉症があるのだろう、という訳です。
 発熱という現象をたとえに使ってみましょう。発熱は、脳の体温調節中枢の設定温度が高くなってしまうことから生じます。ただし、「体温調整中枢の設定温度を上げる原因」には、カゼから腸チフスなど、様々な原因があります(また、熱中症では「体温調節中枢の設定温度」とは異なるメカニズムによって発熱が生じます)。
 このように脳内の複数の原因からのルートが自閉症発症に至ると考えられていますが、その主要な「複数の原因」が何であるのかは目下研究が続いている最中です。ただし、その複数の原因の中の一つである遺伝的要因に関しては、自閉症発症に関与する遺伝子が徐々に明らかにされています。
自閉症の原因として、過去誤った説が影響力を持ってきました。以下のような説がありましたが、すべて誤りです。
「母親の育て方が悪い」という誤った説
「体外からの有害物質が原因」という誤った説
「生まれた後の環境が原因」という誤った説

 

「母親の育て方が原因」説は全くの誤り

単独の外的要因に自閉症の原因を求める(水銀説など)のは誤り